歯茎が痛い・押すと痛い・
腫れている場合に考えられる
5つの原因と治療法
歯周病
歯周病は自覚症状が乏しい疾患ですが、進行すると歯茎が腫れて痛みを起こすことがあります。中等度まで進行すると歯槽骨(しそうこつ)が溶けだし、歯がグラグラしてしまいます。
治療法
歯茎に痛みや違和感がある場合、速やかに歯科医院へ受診し、適切な処置を受ける必要があります。歯周病は、日本人が歯を失う原因の中で一番多い疾患です。
進行すると治せなくなるので、早めに治療を受けましょう。
歯の根に膿がたまっている
差し歯や被せ物をした後に、起こるケースが多いです。差し歯や被せ物は神経を抜いた後に行う処置ですが、歯は神経がなくなると免疫力が失われてしまい、細菌感染が起こりやすくなります。
細菌に感染すると、歯の根の先端に膿がたまり、痛むようになります。
治療法
膿を出し、根を清掃・消毒して菌を洗い流したりします。無菌状態になりましたら、被せ物を取り付けます。
感染が進行すると治療期間が長くなり、通院回数や治療費が増えてしまいます。また自然治癒できないので、放置し続けると最悪の場合、抜歯に至る危険性があります。さらに、菌が血管を通じて、全身へ回ってしまう恐れもあります。
そのため治療は少しでも早めに、開始してください。
歯が割れていたりヒビが入っている
神経を抜くと血液が通わなくなるので、歯に栄養が行き渡らなくなり、もろくなります。
そのため神経を抜いて被せ物を装着した歯は、ヒビが入りやすいのです。
治療法
歯の根の上部に、少しヒビが入ってる場合は、接着剤のような補強剤を使ってヒビを補修していきます。その後は根の中に丈夫な土台を取り付け、被せ物を装着していきます。
ヒビが深く入っている場合は、いったん歯を抜いてから補強剤でヒビを補修します。その後は、抜いた歯をまた元に戻す治療(再植術)を行います。ただし容態によっては、再植が難しいケースもあります。残念ながら、抜歯に至ってしまうケースも少なくありません。
歯ぎしりや食いしばりをしている
歯と骨の間には、歯根膜(しこんまく)があります。しかし、歯ぎしりや食いしばりで歯に強い負荷がかかると、歯根膜への負担も大きくなります。
そういった時に歯を押すと、痛むようになります。
治療法
歯ぎしりが治らない場合は、マウスピースを使った治療をお勧めします。
マウスピースを装着すると、歯への負担が軽減・分散され、歯根膜にかかる負荷も抑えられます。
食いしばりの場合は、きちんと意識して食いしばり癖を減らしていく必要があります。
親知らずが生えてきている
「親知らずが横に生えてしまう」または「親知らずが生えかけている」状態になると、汚れがたまりやすくなるため、智歯周囲炎(ちししゅういえん)が起きやすくなります。
智歯周囲炎になると、歯茎に痛みを感じることもあります。
治療法
親知らずを放置すると、隣の歯が虫歯になる恐れもあります。
炎症を繰り返す場合は、早めに親知らずを抜きましょう。
歯茎から出る膿は
自分で出しても良い?
患部を押して膿を絞り出そうとする方もいますが、炎症が治らない限り、膿はまた溜まってしまいます。
また細菌に感染する可能性もあるので、自力で出すのは絶対に避けてください。
歯茎が腫れて痛む時の対処法
痛み止めを服用する
歯科医院の診療時間外に痛んだ場合は、市販の痛み止めを服用しましょう。
患部を冷やす
腫れて痛みがある場合は、患部が熱っぽくなっています。痛む部位を口の中から直接冷やすのではなく、頬から冷やすようにしてください。
お口の中を清潔にする
歯磨きやうがいなどを行って、お口の中を清潔にしましょう。
夜間診療をしている歯科医院に行く
夜間診療に対応している歯科医院がありましたら、早めに受診しましょう。
出来るだけ早く歯科医院を
受診しましょう
いったん痛みが治まった場合でも、放置せずに早めに歯科医院へ受診してください。原因をきちんと改善しないと、何度も痛んだり悪化したりします。 歯科検診をあまり受診していない方は特に、早めの受診をお勧めします。お口の中をきれいにして、健康な歯を維持していきましょう。
歯茎の腫れ・押すと痛いQ&A
歯茎が赤く腫れています。これって歯周病でしょうか?
きれいなピンク色をしていましたら、健康な歯茎である可能性が高いです。、「真っ赤になって腫れている」「紫色に近い歯茎」の場合は、歯周病の可能性があります。
歯茎が痛むので受診したのですが、歯周病などの疾患は見つかりませんでした。歯周病以外の原因で、歯茎が痛むことはありますか?
ストレスや慢性疲労などによって、歯茎が腫れたり痛んだりすることがあります。心当たりがありましたら無理せず、休息の時間を作ってください。
歯茎が腫れた時に、歯磨きをしても大丈夫でしょうか?
問題ありません。むしろ歯磨きを行って、菌を除去することが重要です。ただし、腫れている部分は、優しく磨いてあげましょう。 強く磨きすぎると歯茎に負担がかかり、逆効果になってしまいます。