こんな症状がある方は
顎関節症かも…
- 口を開ける時、閉じる時に音が鳴る
- 食べ物を噛んでいると顎が痛くなる
- 顔に歪みが出ている
- 口が大きく開かない
- 食事や会話をしていると顎がだるくなる
- 嚙み合わせに違和感がある
- 顎が外れることがある
顎関節症とは
顎関節症(がくかんせつしょう)とは、「口を開ける時に顎関節や顎を動かす筋肉が痛くなる」「大きく口を開くのが難しくなる」「口を動かすときにカクンと関節音が鳴る」といった症状が出現する状態です。先述した症状のうち、1つでも当てはまっていると顎関節症の診断がつきます。
「一生のうち2人に1人が経験する」と言われているほど、誰でも起こる可能性はあります。特に20~30代の若年層に多く見られ、男性よりも女性の方がなりやすいとされています。
顎関節症の主な3つの症状
口を開けようとすると痛い
顎関節がある「耳の前」あたりが痛くなりやすいです。しかし、頭のこめかみが痛むこともあるため、頭痛だと勘違いしてしまう方もいます。
「口を開く時」や「ものを噛む時」は顎が痛くなりやすいのですが、何もしない時に痛むことはほとんどありません。
あごを動かすと音がする
「自分は顎の疾患を抱えていない」と考えている人を対象とした調査によりますと、「顎の関節の音が鳴る」と答えた人は23~39%もいると言われています。
鳴り方は人によって異なりますが、「カクカク」「ザラザラ」「コキコキ」「ゴリゴリ」と表現されることが多いです。
大きく口が開かない
「痛みで口が大きく開けられない」と言った症状もよくみられますが、たとえ重症化しても、指が1本入るほど口を開けることは可能です。「全く口が開かない」といった症状は現れません。
顎関節症の原因
- 噛み合わせの異常
- ストレスや緊張
- 食いしばり、歯ぎしりなどの癖
- 関節の外傷
- 歯並びの悪さ
中でも特に多いのは、「噛み合わせの異常」からくる顎関節症です。また、緊張やストレスを溜め続けると、顎周りの筋肉も緊張するため、噛み合わせが乱れやすくなります。それによって関節に大きな負担がかかり、顎関節症になるケースもあります。
自分で出来る顎関節症の対処法
TCHのチェック
TCH(Tooth contacting habit)とは、日中に意識せずに行っている、上の歯と下の歯が触れ合わせてしまう癖のことです。
TCHの有無を調べる方法ですが、まずは目を閉じて身体の力を抜いてください。そして唇を軽く閉じ、上の歯と下の歯が触れ合っているかどうかを確認しましょう。
上下の歯が触れ合っている場合は、日ごろから上下の歯が触れ合っている可能性が高いです。TCHを少しでも減らすには、まずご自身がTCHを行なっていることを、自覚することが大切です。TCHに気付いたら、歯を離すよう意識したり、リラックスする時間を作ったりするなどの対処をとりましょう。
食事での注意点
強く噛まないと食べられないほどの硬い食品は避けましょう。食べ物を噛む時は、できる限り「両側の奥歯」を使うよう意識しましょう。
また、「長時間ガムを噛み続ける」といったことも控えてください。
就寝時での注意点
うつ伏せ寝は、関節や筋肉を圧迫させてしまうので避けましょう。できる限り、仰向けで寝る習慣を作りましょう。
運動時での注意点
運動すると血行が良くなるので、筋緊張も緩和されます。ただし、ハードなスポーツや強い噛み締めを行う競技は避けましょう。
ウィンタースポーツやスキューバダイビング、格闘技などのような、身体が冷えやすい競技や顎の外傷が多いスポーツもお勧めしません。
その他の注意点
- 関節や筋肉は冷やさずに温めましょう。
- 猫背にならないよう、背筋はまっすぐに伸ばしてください。
- 電話をしながら仕事をする時、肩と首で受話器を固定するのはやめましょう。
- 「頬杖をつく」「爪を噛む」などの癖は、顎関節に負担をかけてしまうので直しましょう。
- 歯の食いしばりを行う動作・スポーツは避けてください。
- 顎の調子が良い日でも、急に顎を動かす動きは行わないでください。
- 関節や筋肉に負担がかかってしまうので、長時間のおしゃべりや大笑い、大あくびなどの動作は極力控えましょう。
- 緊張し続けると顎の筋肉もこわばってしまいます。時々でも良いので、リラックスする時間を作りましょう。
顎関節症の治療
薬物治療
顎関節や筋肉の痛みがある場合は、消炎鎮痛薬を処方します。
他の薬を服用している方は、事前に医師へお伝えください。
スプリント療法
スプリント療法とは、マウスピースを使って行う治療法です。マウスピースを着け、顎関節への負担を減らします。昼間はマウスピースを着けなくても生活できるので、見た目などの影響も少なく済みます。
理学療法
筋肉のマッサージやホットパック、筋肉へ電気を流す低周波治療、痛みを軽減させるレーザー照射などを行います。
他にも、顎関節や筋肉、靭帯などの柔軟性と可動域、耐久性を高める運動療法も行います。