歯並びはどうして
悪くなるの?4つの原因
歯並びが悪い原因は遺伝だけでなく、普段の生活習慣や虫歯など、多岐にわたります。
遺伝によるもの
両親の歯並びが良くないと、その子供も歯並びが悪くなる傾向があります。しかし、遺伝によって歯並びが悪くなる確率は、たったの2~5%です。とはいえ、ご両親の筋肉や骨格の作り、歯の大きさ、形などは遺伝する可能性が高いです。そのため、歯並びも似てしまう可能性もゼロとは言えません。
なお、受け口(下顎前突:ががくぜんとつ)は、遺伝による影響が大きいと指摘されています。
顎の不十分な発育
食事内容や顎を動かす習慣、噛む回数などによって、十分に顎が発育されなかったことも原因になります。
虫歯や歯周病
虫歯によって歯が欠けたり抜けたりすると、歯並びが悪くなる可能性が高くなります。また、歯の痛みによって、反対側の歯だけでものを噛む癖が身に付くことで、歯並びが悪くなるケースもあります。
また、歯周病は進行すると、歯槽骨(歯を支える骨)が弱くなります。それによって歯が移動し、位置が変わってしまうこともあります。
習慣や癖
指しゃぶりや爪噛みの癖があると、指や爪と一緒に前歯も引っ張られるため、出っ歯や開口(かいこう)になりやすくなります。
頬杖をつく習慣は、歯並びの悪化だけでなく、顎関節症を引き起こす原因にもなります。
また、片方の歯しか使わない食べ方を行うと、顔の左右のバランスが崩れてしまうこともあります。特定の歯だけ消耗するため、噛み合わせや歯並びにも悪影響を及ぼします。
歯ぎしり・食いしばりは、顎に必要以上の負荷がかかるため、歯並びにもマイナスの影響を与えてしまいます。
舌で歯を押す癖は、無意識に行いがちですが、歯が動いてしまうので早めに改善させましょう。
歯並びの悪さが及ぼす
悪影響
虫歯や歯周病になりやすい
歯並びが悪いと、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスが奥まで届きにくくなります。その結果、食べカスが溜まり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
滑舌が悪くなる
出っ歯や受け口、開口、すきっ歯などがあると、発音した時に息が抜けやすくなります。それによって滑舌が悪くなり、発音しにくくなるのです。
顎関節症になる可能性
左右両方の歯でまんべんなく噛むことができないため、特定の歯に大きな負担がかかります。顎の関節にも負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性もあります。
頭痛や肩こりが起こる
顎に負担がかかるため、顎や首回りの筋肉がこわばり、肩こりや頭痛を引き起こすこともあります。肩こりや頭痛に長年悩んでいる方の場合は、もしかしたら歯並びの悪さで長引いているのかもしれません。
胃腸への負担がかかる
噛み合わせにも影響を与えるため、咀嚼がスムーズにできなくなることもあります。
あまり噛まれなかった食べ物が胃腸へ運ばれるため、胃腸への負担が大きくなったり、栄養の吸収効率が悪くなったりします。
見た目にコンプレックスを抱える
「人まで歯を見せられない」「口元を隠す」などが癖になり、対人関係に支障をきたしてしまうケースも少なくありません。
歯並びの悪化を
防ぐ方法はある?
指しゃぶりや食いしばりなど、日ごろの癖で歯並びが悪くなっている場合は、その生活習慣を改善させることが必要です。
ただし、遺伝によって歯並びが悪くなっている場合は、生活習慣の改善だけでは難しいので、歯科医師へ相談しましょう。
悪い歯並びを治す方法
ワイヤー矯正
金属製のワイヤーやブラケットを取り付ける方法です。「見た目が気になる」と思う方もいるかもしれませんが、最近は目立ちにくい透明色・白色のワイヤーも登場しています。
大体1カ月に1度の頻度で定期通院していただき、ワイヤーを調整して歯を動かしていきます。
リーズナブルに受けられる方法ですが、食べカスがつきやすいというデメリットもあります。
そのため定期通院では、虫歯の有無もチェックしていきます。
インビザライン
インビザラインとは、歯に透明なマウスピースを装着することで、歯を動かしていく方法です。自由に着脱できるので、今まで通りに歯磨きや食事が行えます。なお、2週間に一度の頻度で、新しいマウスピースに交換する必要があります。マウスピースの交換・装着は患者さんご自身で行えます。
歯並びを自力で治すことはできません
歯科矯正はお金も時間もかかります。「自力で治せないかな?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし残念ながら、歯並びを自力で改善させることはできません。
むしろ歯や歯槽骨に大きな力がかかるため、ますます歯並びが悪くなったり歯の寿命が縮まったりします。
矯正治療で用いられる専用装置は、歯や歯槽骨に余計なダメージを与えないように、かつ安全に歯を動かすために必要なものです。
また矯正治療は、知識に長けた歯科医師の判断によって、少しずつ負荷をかけながら歯を移動させていく、立派な医療行為です。ご自身で歯を動かすことは大変危険ですので、絶対にやめてください。
歯並びでお悩みでしたら
当院までご相談ください
歯並びによって日常生活に支障をきたしている場合は、矯正治療を受けることをおすすめします。
「歯の矯正=小さい頃に受けるもの」というイメージを抱いている方もいらっしゃるかもしれませんが、大人の方でも矯正治療は可能です。
矯正期間中の見た目や歯の状態が気になって、矯正をためらっている方は多くいらっしゃいます。近年ではホワイトワイヤーやインビザラインなど、審美性の高い装置も出ていますので、周りにバレずにこっそり矯正治療を始めることも可能です。
精神的にも肉体的にも健康でいられるよう、歯並びが気になる方はまず、当院へご相談ください。